辻村和服専門学校の評判(卒業生)
卒業生の声
匿名さん
松竹衣裳株式会社
~卒業生を訪ねて~「松竹衣裳株式会社」様
歌舞伎・演劇・映画・テレビ・舞踊における衣裳の着付けや製作等を行う松竹衣裳株式会社に勤務している卒業生にお話しを伺いました。
お忙しい中、ご対応いただきありがとうございました。
また、松竹衣裳株式会社のご関係者の皆様、ありがとうございました。

【現在のお仕事について】
入社1年目の私ですが、同期の1年目や2年目の方にも同じ辻村和服専門学校出身がいます。私は衣裳の縫製の担当で、主に歌舞伎役者さんの衣裳の仕立てやお直しをしています。他にも映画やドラマ、イベント等の衣裳も手掛けます。有名な役者さんの衣裳も仕立てるので、インターネット上やテレビ等で役者さんが実際に着用されている姿を見ることができ、自分の仕事にとてもやりがいを感じます。これから歌舞伎等のお芝居も劇場にて生で観て、もっと勉強していければと思います。
【この仕事を選んだきっかけ】
辻村和服専門学校1年生の時に学校行事で歌舞伎を観に行く機会がありました。その時、歌舞伎の衣裳の綺麗さに惹かれました。自分の縫ったものがあんなにもキラキラしている舞台で着てもらえたら嬉しいと思いました。学校を卒業後にそのまま系列企業で和裁の仕事をすることも考えましたが、静岡出身の私は東京で仕事をしたい思いもあり、この仕事を選びました。
【学生生活を振り返って】
家政科等ではない普通科の高校の出身ですが、辻村和服専門学校に入学する前に目標を決めて入学しました。自分の振袖を自分で縫いたい、在学中の5年間で国家和裁技能士検定1級を取得したいと思っていました。最初の1、2年は慣れることで大変でしたが、目標の2年目に自分の成人式の振袖を仕立てたり、国家検定2級を取得することができました。3年生からは技能五輪全国大会に出場し、4年生の時には入賞することもできました。入学して、張り合いのある同級生にも恵まれ、切磋琢磨しながら自分の技術を磨くことができました。授業中、同級生と自主的に仕立ての競争もよくしていました。卒業年次の5年生のときには目標の国家和裁技能士検定1級も取得でき、とても充実した学生生活を過ごすことができたと思います。
【今後の目標】
身近な目標は、仕事をしっかり覚えることです。学生の時に縫っていたときと手順や縫い方も違います。今はまだ確認しながら縫うことも多いです。周りの先輩方は仕事も早く、さらっと仕立てているので、自分も早くそうなりたいと思っています。将来的には、歌舞伎衣裳の中でも、主役級の方のお仕事を任されるような存在になりたいです。
山口さん
KIMONO梅千代
~卒業生を訪ねて~ 「KIMONO梅千代」様
静岡市葵区鷹匠にある「KIMONO梅千代」さんに伺いました。
着物のレンタル・販売・着付け教室をされていて、お洒落な雑貨屋さんのような雰囲気のお店です。
こちらには今年から当校の卒業生の山口さんがお世話になっています。
山口さんにお話しを聞いてきました。
学校で和裁や着物のことを学んできたので、着物に携わる仕事に就きたいと思っていました。また接客に興味がありましたので、KIMONO梅千代さんでお仕事することになりました。成人式や七五三や卒業式などお客様の一生に一度の晴れの日のお手伝いをすることができ、そしてお客様の笑顔を直接見れることがやりがいとして感じます。お客様からお手紙をもらったりすることもありました。この仕事・このお店を選び仕事をして本当に良かったと思います。まだ、半年余りで、これから一人でできることをどんどん増やし、早く一人前のスタッフとしてお仕事をしていければと思っています。後輩のみなさんには、着物を扱うお店への就職を考えているのなら、在学中に着付けの技術ももっと上を目指した方がいいと伝えたいです。
山口さん、この度はお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
今後、益々のご活躍を願っています。

山本さん
スタジオもなみ
~卒業を訪ねて~ 「スタジオもなみ」様
静岡県の東部、駿東郡の複合型ショッピングセンター「サントムーン柿田川」。その中に店舗を構える「スタジオもなみ」様を訪ねました。こちらには卒業生の山本さんが勤務しています。
「スタジオもなみ」様は着物を取り扱っている歴史ある「京都もなみ」様の写真スタジオです。スタジオ内は明るく、和も洋もあり、自然と笑顔にしてくれそうな空間です。
卒業生の山本さんにお話しを伺いました。
ご来店していただいたお客様に撮影のプランをご説明したり、写真撮影のお手伝いをしたりしています。学校では和裁の実習がほとんどだったので、一人でコツコツ縫うことをしていましたが、今はお客様とお話しすることが多いので、日々勉強と思ってお仕事をしています。この時期は七五三の撮影や成人式の前撮り等が多く、またウェディングの撮影もあります。
今でも学んできた和裁の技術を生かして、七五三の揚げをしたり、長襦袢の半衿を付けたりします。着付け師さんに、付けた半衿の様子を褒められたりすると、とても嬉しいですし、また今のお仕事がお客様の記念の日のお手伝いをすることですので、そこにとてもやりがいを感じます。
今の会社に勤めるきっかけは、着物に携わる仕事を探していて、学校の先生と話しながら、この会社を見つけることができました。接客業は自分に合うか不安でしたが、今では一生懸命お仕事をして、説明ももっと上手になって、総合的に仕事ができるようになりたいと思っています。針を持っての縫う仕事ですが、着物を一から仕立てるというより、今くらいのペースで縫うことが自分には合っていると思います。
在校生のみなさんには健康に気を付けて元気で頑張ってと伝えたいです。
山本さん、お忙しい中、お時間をいただき、ありがとうございました。
これからの益々のご活躍を願っています。
石川さん
おしゃれ処布屋(布屋呉服店)
~卒業生を訪ねて~「おしゃれ処布屋」様
富士宮市の呉服専門店である「おしゃれ処布屋(布屋呉服店)」さんを訪ねました。創業119年の老舗で地域の方々に愛されているお店です。今も多くの卒業生がスタッフとしてお世話になっています。素敵な藍染ののれんをくぐり、綺麗な新社屋の中で着物姿の石川さんにお話しを伺いました。石川さんは今年当校を卒業し、4月から勤務しています。
石川さん、この度はお話しを聞けて嬉しかったです。布屋呉服店様、石川さん、お忙しい中、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
【現在のお仕事について】
店頭での接客が主な仕事で、月に一度、展示会も開催しています。展示会の時は着物を着てお客様をお待ちしています。スタッフの先輩方も優しく指導してくれるので楽しく仕事ができています。お客様や得意先様から学ぶことも多いので、今は日々勉強です。
また、布屋呉服店では売るだけではなく、観劇などのお客様と一緒に着物を着る機会も創っています。また、仕立て教室も開催しています。メインの先生の補助として生徒さんに教えています。生徒さんに「石川さんが先生でよかったですよ」と声をかけていただいたときはとても嬉しかったです。
【この仕事を選んだきっかけ】
辻村和服専門学校で着物の仕立てを学び、国家技能検定の2級を取得しました。在学中から、着物をお客様がどういう経緯で購入されたのか、普段着物をどのような機会に着用されるか等に興味があり、仕立てたその先にいらっしゃるお客様のことを考えていました。それがきっかけで接客したいと思い、また学校の紹介もあり、地元にある布屋呉服店へ就職しました。布屋は雰囲気もよく、入社前に展示会にたびたび参加もできたので、会社に馴染むようにしていただけて有難かったです。
【学生生活を振り返って】
物作りが好きで、ミシンではなく手縫いで仕立てる和服に特別感を感じ、辻村和服専門学校に入学しました。大変なことも多かったですが、和裁技術の習得はもちろん、大事なお着物を扱う責任感も学べたと思います。同級生も仲良く、卒業後も会っています。そうした仲間がいたからこそ今があると思っています。
【今の目標】
着付けがもっと上手になりたいです。布屋にはお手本になる先輩方がいます。先輩のようになれるように、しっかり見て覚えていければと思っています。
増田さん
辻村和裁研究所
ひと針、ひと針、仕事は丁寧に。着る方の姿を想像すると、うれしくなります!
辻村和裁研究所 専属和裁士/師範科/2015年3月卒/静岡県藤枝市出身。高校卒業時、頭に浮かんだのは、中学生の時に見た成人式の風景。「自分の振袖を自分で縫えたらすごい!」と思い、高校の先生に進路を相談したところ、卒業生の進学先として実績のある辻村和服専門学校を勧められて入学。在学中に研鑽を積み、2015年冬には国が主催する技能五輪全国大会に静岡県代表として出場し、敢闘賞を受賞した。同じ道を目指す後輩に向けては「覚えることも多く、納期限もあるので大変な仕事ですが、毎日続けることが大事。目標を高く持ったほうがいいですよ」とアドバイスを送る。
この仕事の魅力・やりがい
辻村の関連会社で専属の和裁士をしており、お客様の寸法に合わせて和服を作るのが仕事です。訪問着から留め袖、振袖、七五三の時にお子様が着るものまで、着物全般を扱っています。心がけているのは、着る人の姿を想像しながら、丁寧な仕事をすること。きれいに仕上がった着物を着たお客様が喜んでいただけると思うと、やりがいを覚えます。先日は外国人のお客様の着物を縫う機会があり、日本の文化が世界的にも注目されていることを感じます。学生時代に頑張った分、技術が身につき、それがすぐに仕事に活かせる点は本当に良かったと思っています。職場の先輩たちとも仲が良く、わからないことは何でも聞ける雰囲気も気に入っています。
今の仕事との出会い・きっかけ
中学時代に自分が住んでいた市の成人式で受け付けの手伝いに行き、そこで初めて、きれいな振袖を着た大勢のお姉さんたちを見たことが、和装に憧れるようになったきっかけです。高校に進学する際にも、専門的なことをやりたいと思ったことから家政科へ進学し、卒業後は手に職をつけるため辻村和服専門学校へ入学。2年生になったときに自身が成人式を迎えることとなり、自分で作った振袖を着て式に参加しました。地元の友人や先生にそのことを話すと、みんな驚いてくれました。特に、高校時代に、一緒に洋裁や和裁を学んだ友人から「自分がしたいことを続けているのはすごい」と言われたことは、今でも誇らしく思っています。
これからかなえたい夢・目標
一番近い目標は、国家試験1級に合格すること。和裁士1級は2級を取得してから2年の実務経験が必要で、今年、その受験資格を得ることができました。プロである以上、やはり1級は欲しいですし、何でも縫える和裁士として、将来的に結婚してからも続けていきたいと思います。例えば育児などで途中でやめる期間があっても、技術があればいつでも再開でき、ずっと続けられ、自宅でも仕事ができる点は、この仕事の良いところ。学生時代から「袷着物が縫えるようになりたい」「自分の振袖を縫いたい」「技能五輪全国大会に出たい」など常に目標を持ってきたように、これからも技術を磨いていきたいと思います。
根元さん
辻村和裁研究所
この仕事の魅力・やりがい
仕事場に先生や先輩がいてくれるから
卒業してからも技術に磨きをかけられます
辻村の関連会社で専属和裁士をしています。私の場合はだいたい2日に1枚縫うペースかな。自宅でできる仕事ですが、私はいつも辻村の校内にある専属和裁士のルームへ通って仕事をしています。先生や先輩がいるので分からないことがあるとすぐ聞けるから助かるんですよ。先日、おばあさまの古い着物を3才のお孫さんの晴着に作り替えるお仕事をさせていただいたのですが、「自分の着物がかわいい孫の晴着に生まれ変わり、お祝いが楽しみです」と喜んでいただけたのをお客様アンケートで知りました。嬉しかったのはもちろん、多くの職人さんの技が結集した着物の命を受け継ぎ、生まれ変わらせる仕事をしていることに大きなやりがいを感じました。
私の学生時代!
全国大会で銀賞・銅賞受賞
コツコツ縫うことで着実に技術を身に付けました
小さい頃から手芸や工作など手を使うことが好きだったので、この道に進みました。かといって特別に仕事が早い訳ではなく、人並みだったと思います。学校では針の持ち方や運針など一から丁寧に教えてもらい、あとはひたすらいろいろな種類の着物を縫って技術を磨く毎日。そして4年になった時、先生からコンクールに出てみないかと声をかけてもらったんです。全国レベルの中で自分の力量を知るチャンスだと思い出場してみたところ、2011年全国和裁コンクール銀賞、2011年技能五輪全国大会和裁の部銅賞をいただきびっくり。毎日の積み重ねの中で着実に技術が身についていたことを改めて知ることができました。
これからの目標
最短で国家資格の和裁技能士一級に挑戦
その後は教師の資格にもチャレンジ
和裁は一生モノの技術。しかも専属和裁士でいれば宅配便でやり取りすることで全国どこにいても仕事ができるので、結婚して子どもが生まれても続けられます。昨年、卒業して1年目に国家試験の和裁士1級を取得しました。和裁士1級は、2級を取得してから2年の実務経験がないと受験できないため、取得まで最短でも5年かかるんです。今回、その最短で取得することができました。今後、しばらくは静岡に残り、学校で仕事をさせてもらいながらいろいろな種類の着物を一通り体験してもっと技術を磨こうと思っています。専門学校教師の資格も取りたいので、それは来年チャレンジする予定です。
学生時代に身につけた一生モノの技術を磨きながら、マイペースに楽しく仕事しています
平石さん
卒業後も研究生として学校で和裁をし収入を得ながら一級を目指してます。
プロ和裁士
プロ和裁士
研究生の生活
辻村で和裁を学び、4年次に和裁士2級を取得しました。2級取得後、2年の実務経験を積むと1級の受験資格ができるので、今はそれを目指し、卒業後も研究生として学校へ残り技術を磨いています。もう学費はかからず、逆に自分が縫った着物の枚数に応じて報奨金がもらえます。金額はだいたい月に17~20万円ぐらい。住んでいるのは学生時代と同じ寮で、私の場合は一人部屋で月3万円ですから、十分生活ができます。貯金もしていますよ。静岡は冬でも暖かくて光熱費もそんなにかからないし、雪が降らないから一年中自転車に乗れるし、町の中で何でも揃うから生活するのにとても便利。もうすっかり慣れました。
辻村を選んだ理由
母親が和裁をしていた影響か、小さい頃からモノ作りが好きで、進学時も迷わず和裁の道を選びました。東京・京都・奈良など全国の和裁学校から資料を取り寄せ、学校見学もいろいろした中、辻村を選んだのは寮が一番キレイだったから。他の学校は寮のトイレやお風呂が共同だったりで、そんな生活に自信がありませんでした。辻村はバス・トイレ付きの一人部屋があり、快適に暮らせそうだと思ったんです。学生時代はひたすら縫う毎日。入学当初は先輩を見て「私にあんなすごいことができるんだろうか?」と思っていましたが、順を追って縫っているうち次第にできるようになり、初めて振袖を縫った時には「いつの間にかここまで来た!」と感激しました。
これからの夢・目標
09年2月の和裁士1級試験に向けて、今は練習を積み重ねているところです。やはり2級より技術も審査も厳しく、先輩の話を聞くと普段はできることも、時間制限に焦ってうまくできなかったりするそうなので、確実な技術を身に付けたいとがんばっています。実は、静岡で出会った人と近いうちに結婚する話が進んでいます。ですから、和裁士1級と結婚と両方を実現するのが今の目標。いつでもどこでも仕事ができるように和裁の技術を身に付けたのですから、結婚しても、子どもができても、もちろん和裁士を続けたいですね。学校が仕事を斡旋してくれるし、学校へ来て縫うこともできるので理想的な環境だと思っています。
牧野さん
「子育て中心の生活を楽しみながら自宅でしっかり稼いでいます!幸せです。
プロ和裁士
プロ和裁士
和裁の道へ進んだ理由
自宅で子育てをしながら和裁士をしています。07年5月に産まれた長男は9カ月。掴まり立ちをして歩き回るようになり、目が離せなくなってきました。和裁をするのは、子供が昼寝をしているか夜寝ている間の1~2時間だけ。主人が休みの週2日は家族でドライブなどに出かけるので、仕事はお休みです。今は月収5万円ぐらいが目標。生活費のためというより、旅行など家族で楽しむゆとりのお金を稼ごうと、出産7カ月後に仕事に復帰しました。今年の夏は親子3人でハワイへ行く予定。外へ働きに出なくていい、子どもを預けなくていい、子育て中心の生活をしながら仕事ができるので、家でできる和裁士の技術を身に付けて本当によかったと思っています。
今の仕事との出会い
何か手に職をつける勉強をしたいなぁと思っていた時、母親が「和裁なんかどう?」と勧めてくれたのが、この道へ進むキッカケでした。着付けなど着物の知識や技術を身に付けてほしいと思ったようです。特にモノ作りが好きだった訳ではなく、針仕事もあまりしたことがなかったのですが、和裁なら誰もが一から同じスタートを切れるから、がんばれば私にもできるかなと思いました。いろいろな和裁学校の資料を取り寄せたところ、東京の学校の多くは縫う素材を自分で用意しなければならなかったのに対し、辻村は学校が素材を用意してくれるし、さまざまな種類の着物を縫えるのが魅力でした。学校見学に来て、学校と寮がキレイだったのも決め手です。
私の学生時代
学生時代の思い出は寮生活ですね。今は同級生同士の相部屋ですが、当時は先輩と後輩の組み合わせだったんです。初めのうちは慣れない共同生活にけっこう気をつかったりして、たまに友人たちと外で遊んで気分転換をしたのがいい思い出です。そんな経験を通し、自分中心に考えてはいけないなど、人との付き合い方を学びました。師範科を卒業してからも、結婚して子どもが生まれる臨月まで研究生として学校へ通って仕事をしていました。その時は月収20万円ぐらいでしたね。今は自宅で仕事をしていますが、子育てのことなど何か困ったら、学校へ行けば同じように子育てしている研究生など相談できる人がいるので、安心して仕事を続けていられます。
高橋さん
「縫う」「売る」だけでなく、着物の楽しさを伝えるのも私たちの役目!
きものCafeちどり
ショップ運営
こんな仕事
和小物など販売しながら、お汁粉やお茶漬けなどのメニューを揃えた「きものカフェ」を運営しています。着付け教室や和裁教室も開催。堅苦しくなく、気軽に着られる普段着の着付けを。和裁も古い着物の寸法直しとか羽織に仕立てるなど、各自やりたいことをやってもらっています。着物に興味があってもどうしていいか分らなかったり、高級な販売店や個人宅の和裁教室だと敷居が高かったりしますよね。でもここはカフェなので気軽に訪れていろいろ聞くことができます。お店がオープンしてから約2年半、延べ150人以上の方が教室へ来てくれました。このお店があったからこそ、これだけの方が着物に触れる機会ができたのを嬉しく思っています。
今の仕事との出会い
辻村を卒業後、ナショナルチェーンの呉服店に勤めましたが、高級志向の大手のやり方にギモンを持ち3年半で退職。私は着物が大好き。もっとみんなに気軽に着物を楽しんでほしいと、次にアンティーク着物ショップに転職しました。ところが今度は新たなギモンが。お客様はコーディネートの仕方とか、半襟の付け方とかいろいろ聞きたいんです。でも買わずに聞くのは悪いと遠慮してしまう。そういう人がたくさんいるのを実感した時、お客さんだった今のオーナーと知り合い、だったら自分たちで理想のお店を作っちゃおう!ということになったんです。物件を探し、自分たちで床を塗ったりと何もないところから始め、2005年10月にオープンしました。
私の学生時代
私、辻村へ入るまでは針を持ったこともなく、家庭科は10段階評価で3(!)。ただ手に職をつけたいな、着物が着られたらいいな、くらいの気持ちでした。だから1~2年の頃は訳が分らず、3年になったらやめようと思っていました。でもせっかくだから4年まで続けようとやっていたら、それからですよ、着物のおもしろさに目覚めたのは。だから私は学生の皆さんに声を大にして言いたい。「学校は4年間、絶対続けた方がいいよ!」。卒業後も「縫う」か「売る」しかない訳ではありません。自分が率先してやることで、世界が開けます。多くの人に着物の楽しさを知ってもらうために、その技術や知識を活かせばいいんです。後輩たちにも期待しています。