「進学ナビ職業図鑑」シリーズ
看護師(2012.07.16UP)

どんな仕事?

●患者の健康回復の支援に従事
看護師は、医師の指示にしたがって、診察・手術などの医療活動の補助をするほか、患者の介護や身の回りの世話をして、患者の健康回復への支援を行うことが主な仕事です。
具体的には、患者の食事の介助や清潔を保つ環境の整備、患者の基本的データとなる検温や血圧測定、病気を治療する点滴の準備などを担当します。

●チーム医療の中心職種としての誇り
医師が病室を訪れる回診では、患者の様態を報告し、診察や治療の介助にあたります。病棟は、内科系、外科系、産科・婦人科、小児科、ICU(集中治療室)など細かくわかれており、病棟によって仕事の内容も異なりますが、共通点は、患者に安心して入院生活を送ってもらうための中心に、看護師がいるということです。
看護師は、看護師同士はもちろん、医師をはじめとする病院スタッフと固いスクラムを組み、看護を通じて患者の生命を守ります。

看護師になるには

看護師になるには、看護師国家試験に合格することが必要です(必要な免許・資格の項参照)。
女性の仕事というイメージが強く、「看護婦」という職業名でしたが、男性の進出により看護婦(士)と呼ばれるようになり、現在の名称は「看護師」となっています。
国家試験合格後は、病院などの採用試験を受けて、合格した人が採用されます。国公立病院勤務を希望する場合は、公務員試験に合格する必要があります。

必要な免許・資格は?
看護師になるには、国家試験受験資格を得て、国家試験に合格しなければなりません。国家試験の受験資格を得るには、高校卒業後、国が指定する養成機関(大学・短大・専門学校)で3年以上の専門教育を受け、修了することによって得られます。
また、高校衛生看護科や準看護学校を卒業後、準看護師の国家試験に合格し、実務経験を経て、看護師国家試験にチャレンジする道などもあります。
社会に果たす役割は?
現代の医療現場は、医師・検査技師・薬剤師などたくさんの職種のチームで支える高度医療になっています。病院の他のスタッフにとっても、そして患者にとっても、いつも患者の一番近くにいて、患者を支える看護師が果たす役割は、ますます重要になっています。
勤務場所も、従来の病院、診療所などから、リハビリテーション施設や、社会福祉施設などにも広がりを見せています。
また、高齢化社会が進むにつれて、在宅看護の必要性が指摘され、全国の市町村で訪問看護もはじまっています。看護師は、患者の家庭を訪ね病状をチェックしながら、生活や家族にできる世話の仕方を工夫し、相談にのっています。
求められる適性・資質は?
看護師に求められる資質は、まず患者の病状を正確に観察・判断でき、患者の様態が急変したときにも、敏速に、的確に判断し、対処できる理性と学識があることです。
人間の生命に直結した仕事ゆえに、責任感があり、命に対する熱い思いがあることも大切です。

仕事上、徹夜勤務もしばしばですし、患者の身体を支えたり、動かしたりと体力も使うので、ハードワークにも負けない根性と、忍耐力も求められます。
患者に病状を説明したり、健康指導をして励ますためには、他人を理解し、受け入れようとする資質と、コミュニケーション能力も欠かせません。

看護師の仕事内容

【AM8:00】申し送り・確認
日勤の勤務は朝8時頃からスタート。
夜勤の看護師から、担当の患者さんの昨夜の状態などを細かく申し送りします。
その日の看護計画をしっかり確認して、仕事にとりかかります。

【AM10:00】チームワークが大切
看護師の仕事はさまざま。
患者さんへの投薬、処置、着替えや食事などの介護、重態患者さんのモニター、診察の際には医師のサポートもします。
これだけの仕事をこなすには、看護師全員のチームワークが大切。

【PM9:00】深夜でも万全の備え
消灯後は決められた時間の投薬や処置を除いては、静かに巡回をして患者さんを見守ります。
しかし手術後や容態の不安定な患者さんには、深夜でも十分に注意を払い、万一の急変でも万全の備えをします。

看護師の現状・将来性

女性の仕事の代表だった看護の世界にも、男性の進出が進んでいます。
現在、医療技術が高度になり、高齢化によって老人看護など新たな分野も登場し、女性だけでなく男性の看護師の役割もますます重要になっています。また看護師不足解消のため看護師の再就職を進める「ナースバンク事業」も成果をあげています。退職しても比較的再就職しやすく、長く続けられる仕事です。

お仕事DATA

【平均収入】
病院勤務の場合、夜勤手当を含んで年齢30代半ばで約30万円ぐらい、初任給は26万円ぐらいです。

【勤務時間】
2交代(日勤・夜勤)または3交代(日勤・準夜勤・夜勤)で勤務にあたります。

【必要資格】
所定の専門教育を受けた後、国家試験に合格する必要があります。

先輩の声

病院は、人の生と死に関わるところなので、患者さんも真剣ですが、私たちもそれ以上に真剣に対応しています。患者さんがいま何を考え、何を一番してほしいのかがわかり、悩んでいることにアドバイスをしてあげられて、解決の方向に導いてあげられる看護師になりたいと思っています。

現代の医療は、チーム医療です。特にICU(集中治療室)などでは、それぞれの役割を果たしながら、協力しあわなければ医療として成り立ちません。患者さんを直接ケアして、喜びを感じたいので看護師になりましたが、医療をコーディネートする立場で、チーム医療に携われるよう心がけています。

患者さんは何がつらいのか、それがわからないと、看護のスタートはできないし、患者さんを支援することができません。なぜつらい状況になっているのか、何が患者さんの生活を脅かしているのかなども含めて、痛み、苦しみを理解し、適切な看護をしていくことが大事なことです。

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