「進学ナビ職業図鑑」シリーズ
航空自衛官(2012.07.30UP)

どんな仕事?

●日本の空を守る
日本の平和と独立を守り、国家の安全を保つことを目的に侵略から国を防衛することが自衛隊の任務です。その中にあって、航空自衛官の任務は、主に空を舞台に日本を防衛します。警戒管制の隊員は、昼夜を問わず地上と上空からデータを収集・分析して空の監視に努めます。

●国際平和協力や国賓輸送の業務も
戦闘機のパイロットや高射隊員は、非常事態を想定し、また時には米国と共同して訓練を重ねます。物資や人員の輸送業務に携わる隊員は、災害時には被災者や食料・医薬品を空輸するほか、国際平和協力業務や国賓の輸送業務も行います。
航空救助隊員は、航空機が事故に遭遇して墜落した際に捜索・救助します。航空管制の隊員は、航空機を滑走路に導くなど空の安全の確保に努めます。整備士は、航空機や機器が常に正常に機能するよう修理・点検します。航空自衛隊には、新入隊員の教育、武器・弾薬の管理、医療など様々な職域があります。

航空自衛官になるには

航空自衛官になるには、自衛官などの採用試験に合格する必要があります。採用試験は、筆記試験と身体検査、口述試験などがあります。採用試験の中には、防衛大学校学生と防衛医科大学校学生の採用試験種目も含まれ、これらの大学校を卒業して航空自衛官となるコースもあります。パイロットなどを養成するための「航空学生」など、試験の種類は多様であり、年齢や学歴要件など応募資格もそれぞれ異なります。また、医師などの免許取得者を採用する制度もあります。

必要な免許・資格は
航空自衛官の資格は、まず、自衛官採用試験に合格しなければなりません。18歳以上27歳未満のものが受験する「2等陸・海・空士」試験があります。
パイロットになるには、「航空学生」試験に合格する必要があります。医師などの免許をもっていて航空自衛官に採用される場合もあります。なお、日本国籍のないものや自衛隊法第38条第1項(失格条項)に該当するものは、隊員となることはできません。
社会に果たす役割は?
自衛官は、日本の平和と独立を守り国の安全を保つため、外国からの侵略に対し、空から国を守ることが主な任務です。
このため航空自衛隊員は、レーダーなどによって日夜、日本の空をパトロールし日々訓練を行っています。
国際的には、人道的な国際救難活動への協力をします。また、海外での大規模災害に対し、国際緊急援助活動を行います。国内でも、地震・風水害・噴火などの自然災害や火災・海難・航空機事故などにおける災害救助活動をします。また、山や海での遭難者救出をします。これらの自衛官の仕事のうち、空に関する活動を行います。また、政府専用機を使っての国賓の輸送も責任重大な任務です。
求められる適性・資質は?
身体検査合格基準は、採用区分別に若干異なります。特にパイロットなどを養成する航空学生の基準は厳しくなっています。身長は男子155cm以上、女子150cm以上。胸囲・体重は身長と均衡を保っているもの。肺活量は、男子3,000cc以上、女子2,400cc以上。視力は両眼の裸眼視力が0.6以上、または両眼の裸眼視力が0.1以上で矯正視力が0.8以上。色覚異常でないもの。聴力が正常であること。多数の虫歯または欠損歯(治療を完了したものは除く)のないもの。その他、身体健全で伝染性疾患、慢性疾患および四肢関節など異常のないものとなっています。体力・忍耐力・持続力があることが望まれます。

先輩の声

大学の航空部で4年間、グライダー操縦をやっていました。米国へ行ったとき、米国には女性パイロットが大勢いることを知ってパイロットに挑戦しました。当時、雲仙普賢岳や奥尻島の災害派遣で自衛隊の活躍を見て感動しました。災害に携われる自衛隊パイロット・女性第1号になれました。

自衛隊に入って人間的に優しくなれたと思います。基礎部隊を見学した時、ナイキ部隊一本にしぼりその道を選びました。年次射撃という、米国で実際にミサイルを発射する不眠不休の訓練があります。それに優秀な成績・成果が得られたとき、努力が報われた充足感と感動が得られます。

現在、ブルーインパルス(展示飛行隊)の隊長をやっています。見学者のより近くで演じなければならないので、鳥との衝突が一番恐いです。地上では四六時中、空での飛行の難しい手順をイメージした上で機に乗り込みます。実際にはその通りには運ばず、その繰り返しでしばしば悩みます。

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