「進学ナビ職業図鑑」シリーズ
消防士(2012.07.30UP)

どんな仕事?

●暮らしの安全を守り、支える仕事
消防士は、さまざまな災害から人々を守り暮らしの安全を支えるために、消火、救急、火災予防やその原因の調査、指導広報、研究開発などに携わります。消防士は災害に備えるため、多くは24時間交代で勤務します。基本的な任務は消火活動となります。

●災害に備えて幅広く活動
消防隊は、指揮を取る隊長、車両の運転と送水操作を担当する機関員、消火・救助を行う消防隊員とで編成されます。災害時に備えて日々、ロープワークなどの救助訓練を行い、消火技術の修得とともにチームワークの確立に努めます。また、災害時の活動を円滑に行えるように、現場調査や管轄区域内の防災設備の情報収集なども行います。予防係の消防士は予防活動として、住民の防火・防災意識を高めるために学校、町内会など地域住民に対する防災指導や訓練指導を行います。救急活動を行う救助隊は消火活動も行いますが、主に高度な技術を生かして人命救助にあたります。

消防士になるには

消防士になるには、それぞれの市町村または消防本部で実施する採用試験を受験し、合格した人が採用されます。採用されると、内部研修または各都道府県などの消防学校で、数か月から1年程の期間、消防士として必要な専門知識、技術、資格などの教育を受けます。
就職後は、本人の資格、能力、希望などによって、警防業務、予防業務、救急業務などに配属されます。消防士の新規者数は各市町村の状況によって異なりますが、男女を問わず毎年採用を行っている都市もあります。

必要な免許・資格は
消防士には、各市町村または消防本部で実施する採用試験を受験し、合格した人が採用されます。受験資格は、年令制限、体重、身長、視力などの身体的基準などがあり、実施機関によってそれぞれ異なります。また採用試験は、大学卒業程度、短期大学卒業程度、高校卒業程度などの試験区分ごとに一般教養試験、面接、身体検査などによって行われます。
社会に果たす役割は?
一般的に消防活動は、住民からの119番通報によって始まりますが、そうした通報などに即座に対応できるよう24時間常時出動できる体制がとられています。災害現場での救助活動に加え、救急活動も行います。急病人やけが人を最寄りの救急病院へ搬送する際に、救急救命士は、状況によって人工呼吸、心臓マッサージ、傷部の止血などの応急処置をします。的確な処置が救命率向上に大きく貢献しています。
また、火災を未然に防ぐための建築物や危険物施設に対する安全指導、予防業務、豪雨や台風被害が予想される際には、土砂崩れなどの危険箇所を巡回、警戒に当たります。このように、人々のかけがえのない生命や財産を守る、社会的にも重要な任務を負っているのが消防士です。
求められる適性・資質は?
災害時に対応するために、日頃から各種の状況を想定した訓練を行っていますが、そうした訓練を通じて体力向上を図っています。消防士には、健康な身体と体力が求められます。緊急時、冷静な判断が不可欠となるため、的確な状況判断ができることも大切です。また、隊長以下、隊員の連携によって消火活動に当たるため、よりよいチームワークを育むための協調性と誠実さも欠かせない要素となります。
救急救命士、救助活動を専門に行うレスキュー隊員などは、使用する応急処置を施す機器や各種救助機具の取扱いにも習熟していなければならないので、そうした知識や技術に積極的に取り組む姿勢も大切です。そして、人々の暮らしを守るという奉仕精神が求められます。
消防学校の訓練ってどんな内容?
採用試験合格後は、消防学校で消防の知識と技術、人間性を養います。採用試験に合格した者は、各自治体によって異なりますが約半年間、消防学校に入学します。ここで、消防職員に必要な知識と技術を学ぶほか、強い精神力や体力、社会人として豊かな人格を養います。札幌市消防学校には基礎訓練を行う「屋内訓練場」、実際と同様の建物を使って消火・救助訓練を行う「消防訓練塔」や「実火災訓練施設」などがあり、それらの施設を使って専門的な教育訓練が行われています。

先輩の声

「カッコイイ」と思って消防士になったものの、訟練センターでの起床6時はつらかったです。初出動は、先輩のあとをついていくだけで精一杯の状態でした。消防士はなんといっても体力です。知識や技術は訓練や先輩から学べますから。これからは、救急の勉強をしたいと思っています。

防災指導や研修会をやると、市民の方の反応が直接返ってくるのでやりがいと厳しさを感じます。現場の状況を付近にマイクで知らせたり、災害活動のさまたげにならないよう呼び掛けるほか、災害予防の広報活動をしています。地域で、気軽に声をかけてもらえるような人気者になりたいです。

失敗が許されない災害現場で一番大切になるのは、チームワークです。隊員同士何も言われなくても意思が通じる、いわば「あ、うん」の呼吸が求められます。そのために普段から隊員とは食事やミーティングの際に積極的に会話して、意思の疎通をはかるよう心掛けています。

消防官の現状・将来性

都市部における建物の大規模化や用途の多様化、社会の高度情報化や国際化など、都市構造や生活様式の急速な変化に伴い、特殊災害や化学災害も増え、災害の複雑多様化の傾向が強くなっています。また、高齢化社会が進み、救急需要も増加。プレホスピタルケア(病院に着くまでの処置)の重要性が指摘される中、より専門的で高度な活動が求められています。阪神・淡路大震災での被害を教訓とした震災対策の強化も、消防行政の重要な課題の一つと言えるでしょう。これらを背景に、消防行政は今後も引き続き整備を続ける必要があり、消防官の需要は今後も継続的にあります。

消防官の役割

●消火活動
火災が発生した際に、現場へいち早く駆けつけて消火活動にあたります。火災から住民の生命・身体・財産を守ります。
●救命活動
急病人やケガ人の元へ駆けつけて、止血・心肺蘇生・酸素吸入など応急処置や救命処置を行い、いち早く医療機関に搬送します。
●山岳救助
特殊な訓練を積んだレスキュー隊の中でも、特に山岳救助技術を専門的に身につけ、山で遭難した人などを救助します。

お仕事DATA

●平均収入
市町村によって異なりますが、東京消防庁消防官I類の初任給の場合、約23万円程度(ほか諸手当)です。
●勤務時間
ポジションによって異なります。いかなる緊急時にも対処するために、ローテーション制での勤務がほとんどです。
●必要資格
市町村が実施する「消防官採用試験」に合格すること。身体要件を満たされている必要があります。

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