きゅう師「進学ナビ職業図鑑」シリーズ

きゅう師免許を取得するには、まず、国家試験の受験資格を取得しなければなりません。受験資格は、大学入学資格のある人が、国の認定する養成施設で3年以上の課程を修了することで得られます。著しい視覚障害者の場合は、義務教育修了以上で、養成施設で5年以上の課程を修めることが必要です。
国家試験に合格後は、鍼灸院や病院などに勤務し、経験を積んでから独立・開業をめざす道もあります。

実家は3代続いた鍼灸院。祖父や母が働く後ろ姿を見て育ったこともあって、高校時代から、専門学校に進んで必ず資格を取ろうと決めていました。この職業は、私のように経験が浅いと今一つ説得力に欠けるところがあるので、確実に治療効果をあげ、患者さんの信頼を得られるよう努めています。

私は、患者さんがご高齢でも年寄りあつかいしないよう心がけています。一人の人間ですから、名前で呼びます。時には叱ったりすることもあります。ですから、「厳しい先生だ」と言われることもありますが、本当の優しさとはこういうものだと自分自身に言い聞かせて治療を続けています。

鍼灸院のほか、養成学校で講師も務めています。学校では3年間基礎を学びますが、それはあくまで基礎。鍼灸院や専門の医療機関で、少なくとも3年間は訓練を積まないと体で覚えることはできません。独立開業した後も、生涯学習のつもりで切嵯琢磨していくことで、真の実力がつくのです。