調理師（西洋料理＝コック）「進学ナビ職業図鑑」シリーズ

現在では、高校卒業者や専門学校卒業者の活躍が多く見られます。
専門学校卒業生の場合、調理師資格を持っている人がほとんどですが、まったく経験のない人がこの仕事に携わっているケースもあります。なお調理師資格は、コックの仕事をするために必ず必要な資格ではありませんが、将来独立開業するときには必要な資格となります。

大学卒業後、イタリア料理店に入りました。包丁の使い方から教えていただいて、フライパンも、手だけではなく身体全体で扱うものということを学びました。先輩の指導のおかげでパーティー料理の責任者になることができました。イタリア料理は、決してパスタやピザだけではありません。

コックになってからフランスに留学し、とても刺激を受けました。素材も違えば料理に関する環境や考え方などすべてが違います。日本では、きれいなフランス料理しか見たことがなかったので驚いていると、「何がおかしいの？」「日本の方がおかしいよ」と、調理場でよく笑われました。

同じ材料を使って10人に同じ料理を作りなさい、と命じても、同じものは出来ません。個性があるし、料理に対する姿勢が完成した料理に現れます。そこが料理のおもしろいところでしょう。その人がそのときにつくる味は、その瞬間にしか出来ない。同じもの、代わりのものは出来ないのです。