「進学ナビ職業図鑑」シリーズ
医療事務員(2012.07.23UP)

どんな仕事?

●診療ことに医療機関に支払われる費用を計算
医療事務員の仕事は、診療の終わった患者について、点数(1点=10円)の早見表を見ながら診療・検査・投薬料などの内容をカルテ内の所定の欄に転記することです。
転記とは、たとえば薬が投与された場合、投与したグラム数から何点かを早見表で計算し、その点数をカルテに記入することです。この点数をもとに、患者負担分を差し引いた費用が、各種の健康保険組合から医療機関に支払われます。

●レセプト(診療報酬請求明細書)を作成
医療事務員は、誤りの許されない細かい仕事に携わります。各患者の1か月間の点数を計算し、各企業単位の保険組合や自営業を対象にした国民健康保険組合、公務員対象の共済保険組合別などに分類し、診療内容を明示したレセプト(診療報酬請求明細書)を作成することがメイン業務ですが、その他、受付や電話の応対などの一般事務や診療補助的な仕事をすることもあります。

医療事務員になるには

習得すべき知識や技術は専門的なことも多く、独学でも不可能ではありませんが、専門学校や通信教育などで勉強し、受験、合格するのが一般的な方法のようです。専門学校、通信教育のいずれも、大学・短大へ通いながら勉強することも可能です。
また、医療事務講座を受講したから明日から仕事ができるというわけではありません。
薬価点数や診療報酬点数の換算方法が、歯科とそれ以外の診療科目とで異なるので、見習いとしての訓練が必要です。

必要な免許・資格は?
資格・免許は必要ありませんが、人材の確保や能力の向上を目指して、認定制度が設けられています。メディカルクラーク、診療報酬請求事務能力認定、医療秘書技能検定、医事コンピュータ技能検定、医療保険士、医療保険請求事務者、医療事務管理士などといった資格や検定があります。これらの資格を取得するためには、専門用語や独特の計算に関する知識や技術が必要とされますから、専門学校や各種学校の関連学科で学ぶと有利でしょう。
社会に果たす役割は?
就業形態は、病院などの常用雇用者、家事の合間などに近所の病院などで毎月2週間程度医療事務の仕事をするパートタイマー、人材派遣会社の社員として毎月1~2週間ぐらい病院に派遣される人、フリーな立場で数病院と直接契約し、毎月事務をこなす人などさまざまです。
いずれの形態にしろ、医療保険制度に基づいてレセプトと呼ばれる診療報酬請求明細書をつくる仕事ですが、患者や家族に優しくかつ温かく接し、患者の苦痛や不安などを少しでもやわらげる気持ちが大切です。それが、来院した患者や家族を心理的に介助することになります。サイドからのサポートがこの仕事の大きな役割です。
求められる適性・資質は?
就業者のほとんどが女性です。カルテを見ながら書類に転記したり、早見表から点数を調べて換算したり、毎日が定型的な反復作業であり、神経の疲れる仕事で、かなり根気と忍耐力が必要です。
また、計算と転記が仕事の中心ですから、見落としやミスをしないような几帳面さと粘り強さも望まれます。
保険請求の請求期日は毎月決められているので、その数日前は仕事が集中的に忙しくなります。体力的に健全でないとなかなか長続きはしません。
また、手術や検査などは英語表記のものもありますから、英語の知識があるとよいでしょう。

先輩の声

正規職員として診療補助の仕事もこなしています。診療が終わった患者さんから「ありがとう」と言っていただいて、何日か後に再び来院されて「いつもお世話になってます」と感謝されたようなときがこの仕事をしていて一番うれしいことです。こういった感謝の言葉を聞くと、つらいことがあってもいっぺんに吹き飛んでしまいます。

パートとしてレセプト作りをこなしています。レセプト作りはコンピュータになって3年になります。今働いている病院は、検査も多く、手書きの頃は一人のレセプトを書くのに何と2時間もかかったことがありました。

もともと人の役に立つ医療や福祉の仕事をしたいと考え、求人広告で病院に入り、現在、チームリーダーを務めています。窓口に立つときは、少しでも患者さんの不安をなくせるように、笑顔を絶やさないよう心がけています。

医療事務・秘書の仕事内容

【常勤:病院などに就職】
大きな病院などに就職し、常勤で仕事をする場合は、一般事務や受付業務なども同時に手がける場合が多くなります。計算など細かな仕事なので、慎重さと手際の良さが必要。

【非常勤:週に数日の勤務】
比較的小さな病院や医院では、非常勤として週に何日か出勤し、仕事をするといったスタイルも多く見られます。家庭や子育てとの両立もしやすく、女性に人気の高い仕事です。

【パートなど:忙しい時期だけ働く】
月末など忙しい時期だけにパートやアルバイトとして働くこともできます。確かな技能とと実績があれば、自分の働きたい時に、好きなスタイルで働くこともできます。

医療事務の現状・将来性

医療機関で事務の仕事に就きたいなら、医療事務の資格は必須です。資格を持つ人の就職率も高く、今後も需要は高くなることが予想されます。常勤であれば安定した収入が見込めますし、また熟練すれば独立して、医療事務専門の事務所を開いたり、フリーとして好きなスタイルで働くことも可能。民間資格でも十分に働けますが、ステップアップを望む人には公的資格を取得することがおすすめ。

お仕事DATA

【平均収入】
働き方や受ける仕事の量によって大きく異なります。

【勤務時間】
常勤から非常勤まで様々な働き方があります。

【必要資格】
公的資格である医療事務技能審査試験、または民間の認定資格などが必要です。

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