新潟薬科大学附属医療技術専門学校の先生からのメッセージ
先生からのメッセージ
山田 大樹先生
皆さん、視能訓練士の活躍する場所はご存知ですか。視能訓練士は、昭和46年に制定された視能訓練士法に基づく国家資格をもつ医療技術職です。眼科で日々、患者さんの検査を行っています。医療技術の向上が著しい昨今、視能訓練士が医師の指示の下に眼科に関わる検査を多数行い、眼科診療を担っています。
その他に、低視覚(ロービジョン)者に対する情報提供から補助具の選定を行う事もありますし、3歳児の検診などに参加することで弱視や斜視の早期発見にも貢献しています。
眼球は2個しかない付属器なので単純だと思われがちですが、網膜から視神経を介し、脳につながっているので構造は複雑です。本校では眼球の事はもちろん、人体の構造を学び、その知識を生かして、学内実習で正常な人を検査することで検査法や正常値を学びます。
また、正常値を知ることは、結果を読み取る力を育てます。学外実習では、学校での経験を生かし、患者さんの検査を見学や実際にさせていただき、正常でない結果が意味することを考え、知識と検査を繋ぎ合わせて、眼というものを総合的に考えます。このように基礎知識から臨床現場につながるプロセスを経て視能訓練士は、全国で活躍しています。
五十嵐 和哲先生
令和3年5月21日に医療法等の一部を改正する法律案が可決(令和3年5月28日・公布)され、本年10月1日から医療機関に勤務する救急救命士の救急救命処置が認められます。
救急救命士の活躍の場といえば消防職員が一般的でしたが近年、活躍の場が広がりつつあり、医療機関への就職が増えております。
今まで救急救命士は、重度傷病者を医療機関に搬送するまでの間、救急現場と救急車内でしか業務が許されていませんでしたが、法改正により医療機関に勤務する救命士は重度傷病者が搬送先医療機関に入院するまでの間、または入院を要さない場合はその医療機関に滞在している間、特定行為を含む救急救命処置を実施する事ができることになります。(厚生労働省令で定める事項に関する研修を受けなければならない。)
医療機関での業務としては、救急外来受診患者の緊急度判定、院外・院内心肺停止における蘇生チームへの参加、病院間の患者転院搬送やドクターカーの運用など、医療機関によって活躍の場に差があるようですが、今後は更に院内での救急救命士の存在意義が高まることでしょう。
新型コロナウイルスのワクチン接種について、医師や看護師、特例で歯科医師が接種を行うことが認められております。集団接種会場での担い手として集団接種に必要な医師などを確保できない場合などにかぎりという条件付きではありますが、救急救命士と臨床検査技師が接種を行えることが認められました。このように救急救命士はますます社会になくてはならない存在になっています。
社会の期待に応えるためには、現状に満足することなく、生涯にわたり新しい知識・技術を修得し続けていく必要があります。同時に、多種多様な職種の医療人が連携して協同するチーム医療をおこなうために、他職種を尊重し、チームワーク力を備え、相手を労う気持ちなど、医療者としての人格の形成も必要となります。
多くの人命にかかわる救急救命士の職は、決して生易しいものではありませんが、厳しいからこそ得られる充実感、達成感があります。
これからも次の日本の救急医療、チーム医療の担い手となるプロフェッショナルな医療人、救急救命士の育成に取り組んでまいります。
皆さん、救急救命士になりたいという夢を共に実現しましょう!