2000年
グラフィックデザイナー
広告デザインの世界へ
グラフィックデザイナー兼WEBデザイナーとして、ヘアサロンやカフェ、芸人さんやアーティストのHPのデザインを手掛ける永井さん。アパレルデザイン科を卒業後、広告代理店やデザイン事務所に勤め、現在はGENOME GRAPHIC名義で活躍している。そもそもデザイナーを志した経緯はどこにあったのだろうか。「もともと文化に入る前から美大に入ろうか迷っていたんですよね。服にももちろん興味があったんですけど、広告デザインにも興味がありました」。文化ではファッションの勉強をしながらも、将来の方向性はグラフィックデザインへと向いていった。「僕らの同世代ではアパレル業界で活躍できる人がたくさんいたんです。だから自分は服じゃないアプローチがしたいと思ったんです」
文化での経験がクライアントに安心してもらえる要素にも
文化で学んだファッションの知識や経験は、決して無駄になることなく、現在の仕事にも生かされているのだそう。「服飾の知識があるということは、洋服や理美容に関するクライアントさんと接する際には『知ってるもんね』と言ってもらえますね。例えば布地の素材感なんかもわかっていますし」。学生時代に培った知識は、クライアントと仕事をする上で信頼関係を築く大切なツールとも言えるようだ。さらに仕事のスタイルは当時の“課題”にも通じるものがありそうだ。「文化時代は課題はすぐに出していました。その代わりサボり気味で単位がギリギリだったんですけどね(笑)。今でも仕事は締め切りギリギリにやるというのではなく、前もって計画的に進めるようにしていますね」
リンクする相互作用がWEBデザインの魅力のひとつ
紙媒体のデザインとは違って、WEBデザインならではの魅力とは「人と人がリンクする、ページとページがリンクする相互作用がありますよね。そしてデザインと動きだったり音だったり、WEBでしか表現できないことがあると思うんですよ。ビジネスのフィールドとしても、洋服も音楽も買えるし、どの媒体でも呑み込むことができるというのも魅力ですよね」。その仕事のベースとして常にあるのは、“クライアントと一緒におもしろいものを作る”ということ。「クライアントさんと作り手(僕)と、見ていただくユーザーさんが満足していただけるものを作るというのがテーマです。クライアントさんばかりが喜んでいたり、こちらだけで提案していてもよくないと思うし、それぞれの視点で良いと思えるものを作れればと思っています」
人との繋がりが仕事に繋がる
良い作品作りのために重要なことは「クライアントさんからどれだけ聞き出せるか」。そのヒントは実にシンプルなことだったりするようだ。「簡単に言えば仲良くなることだったりします。例えば遠慮されて言われても表面だけになってしまうし、その人が本当に作りたかったものを聞き出せれば、こちらはそれを提供できるかどうかだと思うので」。さらに仕事において大事なのは、コネクションだとのこと。仕事の依頼は人づてに舞い込んでくることがほとんどなのだとか。「やっぱり人との繋がりというのはありがたいですね。ゲーム関係とか、芸人さんとか、洋服とか、美容とか、本当に幅広いです。まずは僕を気に入っていただいて、作品を見ていただいて、それを気に入っていただいて…結果、仕事に繋がります」
地方と都心を繋げるアートワークを目指して
常にPCと向き合ってデザインワークをしていると、煮詰まってしまうこともあるのでは…?「そんな時は散歩に出かけたり、近所の図書館に行ったりします」。さらに自然に触れることで考えさせられることもあるよう。「登山が趣味なんですけど、情報から隔離された環境に行ってみて、『本当に必要な情報』が何なのかを考えるんです」。デジタル化が進む時代の中で、次なるグラフィックデザインの可能性とはどこにあるのだろうか。「地方と都心部を繋げるデザインやアートワーク、WEB制作などをやってみたいですね。今は地方が活性化していないというのもありますし。情報が中央に集まるのは仕方ないと思うけど、地方が頑張る時期が来ていると思うので、それを応援したいし協力させていただきたいです」
※この取材内容は2009年10月時点のものです。
【参照元】文化服装学院HP Next