2001年
ヘア&メイクアップアーティスト
自分の中に吸収することが楽しくて
ファッションシューティングやコレクションでは、テーマに合わせて独創的なヘッドピースを自ら制作するほか、最近では、初めてアーティストのツアーのヘア&メイクを担当することになり、全国を飛び回っている橘さん。「今まで経験したことのないものを学べる気がしました。自分の中に得るものがあるのなら、きっとこの仕事も楽しいと思って」。昔から学ぶことが好きで、学校も大好きだったという。今でもその性格は変わっておらず、日々何事も吸収することが楽しくて仕方ないそうだ。
進行方向を変更して、気付いたヘア&メイクの楽しさ
高校時代から美容師にはなりたかったが、服作りにも興味があった。そんな時に文化のパンフレットでスタイリスト科を見て、服作りも、メイクも、写真を撮る授業まであるこの科に応募を決める。3年目のファッション流通専攻科では、外部の講師によるコレクションメイクや特殊メイクの授業など、基本以外の広範囲のことを教えてもらう機会がぐっと増え、その奥深さと楽しさから本気でヘア&メイクの道を目指すようになる。卒業後は資生堂美容技術専門学校に通い、美容師免許を取得。しかし、ヘア&メイクになりたいけどサロン経験もなく、どうしたらなれるか試行錯誤する日々が続く。ある時ダメもとでヘア&メイクアップアーティスト・冨沢ノボルさんの事務所に電話をし、ブック(※)を送り、そして何とか見学のチャンスを与えてもらえた。そしてその後アシスタントに付けることに。「私のような経歴は稀だと思います。本当に周りの人たちに引っ張ってもらった感じです」と自身の経歴を振り返る。
※自分の作品などをポートフォリオにして見せるもの
ヘアの作り込みは、まるで服作りのよう
ヘアスタイルを独自で作り込む仕事が多い橘さん。「ヘアスタイルの作り込みの企画では、服を作るときの素材みたいな感覚で作っています。髪の毛一本一本のニュアンスや質感などのディティールを重視する方もいると思うのですが、私の場合は服を見て、さらに全体のバランスを確認しながら作り込みます」。しかし、そうは言いながらも橘さん自身は、ヘアとメイクだとメイクの方が好きだというのがまた興味深い。
自分の気持ちが伝わってしまうメイクの難しさ
“色”が大好きで綺麗な色を見つけるとつい買ってしまう。メイク道具用のトランクの中にはカラフルなメイク道具がいっぱい詰まっていた。実際に使う機会はそんなにないが、現場で広げておくことで、自分も周りのスタッフも気持ちがあがる材料になるそうだ。また、感覚が敏感な人が多い世界で、その人が自信を持ってカメラの前に立ったり、ステージに立ったり出来るように、自分自身も最良の状態で仕事に臨んでいるそう。「メイクは直接肌に触るものなので、自分の気持ちが伝わると思います。『よし、決まった』とか『イマイチだな』という気持ちも絶対相手に伝わるはずです」。綺麗にしてあげて喜んでもらえた時、この仕事のやり甲斐を感じるという橘さん。「実はマッサージの教室にも通おうかと考えています」。モデルやアーティストを、一番いい状態にもっていってあげたいという想いは強い。
ヘア&メイクの枠を越えて表現すること
30歳の誕生日に友達がホームページをプレゼントしてくれた。そこで日々、感じたことや思い描いたことなどをブログに綴っているうちに、文章を書く楽しさを見出すことができたという。「今まで自分の考えや意見を口にすることが苦手だったのに、ブログを始めて、“文章”という感情表現の仕方があると気付きました。これからも文章を書くということは続けて行きたいです」。近い将来展示会をしたいという橘さん。今、頭の中にはやりたいこと、表現したいことがぎっしり詰まっている。「きちんと時期が来たら一気に出したいと思っています」。その時は自分にしか出来ない世界を見せたいと新たな夢を膨らませている。
※この取材内容は2010年11月時点のものです。
【参照元】文化服装学院HP Next