診療放射線技師とは、X線CT、X線TV、PET、SPECTなどの機器で人体を撮影し、診断に必要な画像情報を提供するのが主な仕事。放射線を照射してがん治療を行う専門職でもあります。放射線を安全に管理し、高度医療を支える診療放射線技師は、現代医療に欠かせない存在です。
放射線を用いて「診断」と「治療」を実践する診療放射線技師の育成をめざし、徹底した「基礎医学」教育により、診療に必要な人体の構造や機能について学びます。一方、放射線に関しては「放射線物理学」などの専門基礎分野から「画像検査技術学」「放射線治療技術学」といった専門分野へ段階的に進みます。また通常定められている10単位分の臨床実習に加えて、さらに4年次で2単位分、「主体的臨床実習」を導入するなど、放射線診療を行うために必要な知識と技術を総合的に身につけます。
実習先は、幅広い放射線診療に対応するために必須となる「診療部門」「核医学部門」「放射線治療部門」の3部門がそろった医療機関を確保し、関西の主要なエリアを中心に、設備や指導者に恵まれた環境を整えています。
また、関西圏で唯一、臨床工学科・診療放射線学科・臨床検査学科の3学科を有する大学だからできる、学科連携型「アドバンスプログラム」を取り入れ、早い時期から多学科と一緒に学ぶ環境が整っています。
【診療放射線学科】WEBキャンパスツアー動画
【診療放射線学科】授業潜入レポート
ここがポイント
●学科の枠を超えて学ぶ“チーム医療”
複数の医療系学科がそろう本学では、医療系総合大学だからこそできる、多学科の学生とともに“チーム医療”を学び合う環境が整っています。「チーム医療見学実習」や、多学科合同で「ケースカンファレンス(症例検討会)」を行う「IPW論」の科目を設置し、チーム医療を学びます。これにより、チーム医療全体の中で、診療放射線技師の役割を確認できるだけでなく、多職種を理解した人材を養成します。
●関西圏で唯一ある3学科だからこそできる学科連携型「アドバンスプログラム」
関西圏で唯一、診療放射線学科・臨床検査学科・臨床工学科の3学科を有する大学だからできる、学科連携型「アドバンスプログラム」を取り入れています。1年次のカリキュラムに、医療技術学部の学生が自由に選択し、3学科合同で学ぶアドバンス科目を3科目配置。早い時期から多学科と一緒に学ぶことにより、「チーム医療」に必要な「多職種理解」を促し、同時に専門スキルも修得します。
●女性技師へのニーズが拡大
例えば近年、女性特有の病気である“乳がん”の早期発見に、診療放射線技師による「マンモグラフィ検査」が有効とされ、検診率が増加傾向にあります。女性が安心して検査を受けられるよう、女性の診療放射線技師の需要が高まっています。
●病院さながらの環境で、臨床力を高める
医療機関と同じ基準で設計された実習室には、「X線CT装置」や「オープン型MRI装置」「一般撮影装置」「移動型3次元X線透視診断装置」などを完備。さらに、西日本の大学で唯一、VRで放射線がん治療を学修できる「バーチャルリニアック」を導入しており、学内で高い臨床力を養います。
就職・進路
●安心の就職サポート
本学では、さまざまなサポート体制と個別面談による就職指導を行っています。
就職支援の基本方針は、それぞれの学生の個性と就職志望先に即した就職指導、それに基づく医療系の施設・機関の就職先開拓、および就職斡旋です。
学生には、専門技術とともに社会人に必要な知識を教育することで、現代社会に対応できる「医療者」としての資質を養成。
卒業後は円滑にキャリアをスタートさせ、医療業界をはじめ、さまざまな分野で力を発揮できるよう、多面的で持続可能な支援体制を整えています。
【2024年3月卒業生の主な就職実績】
大阪重粒子線センター、大阪国際がんセンター、大阪公立大学医学部附属病院、近畿大学病院、北野病院、兵庫医科大学病院、奈良県総合医療センター、京都大学医学部附属病院、和歌山県立医科大学附属病院、株式会社京都科学 ほか
学べる学問
目標とする資格
●高い合格率を誇る国家試験結果
国家試験に出題される科目ごとに、その科目専門の教員を担当として配置し、細かな疑問や質問にも対応できる体制を整えています。
1年次から国家試験の過去問に触れ、出題形式・範囲を知るとともに、基礎学力を身につけます。また3年次には計4回の「模擬試験」と、長期休暇時の「対策講座」によって知識を広げていき、4年次には模擬試験を計9回実施しています。
そのため、2024年3月に第1期生が卒業し、診療放射線技師国家試験結果は、全国平均を大きく上回る結果を残しています。
・診療放射線技師〈国〉2024年3月卒業生国家試験合格率91.7%(受験者72名、合格者66名)※全国平均79.5%