岩田 篤
理学療法学専攻
講師
理学療法学専攻
講師
理学療法の一層の発展のために、謙虚な姿勢で治療の結果について検証していかなければならない
超高齢者社会などによりニーズが高まる理学療法。しかし治療の科学的な検証という意味では、実はまだ未解明な部分がある分野です。治療を行った後、なぜそのような結果を導き出せたのかを明確に語ることは難しいときがあります。私たちセラピストは理学療法の一層の発展のために、謙虚な姿勢で治療の結果について検証していかなければならないと考えています。
理学療法士を目指す若い人たちに伝えたいことは、「理想とする理学療法士のイメージを持つ」ということと「学ぶ楽しさを知ってほしい」ということです。理想とするその姿に近づきたい、対象者の力になりたいという思いこそが学びへの入り口となり、自らの成長を促すことになると、臨床や教育を行う中で強く実感しています。
臨床の現場では「治療を受ける側に立つこと」がとても重要となります。しかしこのことはそう簡単ではありません。なぜなら医療を提供する側の人間が、障がいをもつという経験をしたことがほとんどないからです。どうすれば未経験の障がいに共感できるセラピストになれるのか。そこには大学内の勉強だけではなく、実際の現場で対象者の一人ひとりの思いに熱心に耳を傾けていくことが大切であると考えています。理学療法士になる道のりは決して簡単ではありませんが、あきらめることなく、最良の治療者を目指して、ともに課題に立ち向かっていきましょう。