人間総合科学大学
学長
現代人が"よりよく生きるための知恵"を身につけるために
私たちをとりまく現実の社会は、さまざまな要素が錯綜した複雑な 問題群で蔽われています。これらの問題に立ち向かうには、ひとりひとりが自分の立ち位置を知り、行動の変容を図ることが求められます。そのためには、複雑に絡み合った問題群をしっかりと理解する能力 が求められますが、そこには一本の糸の性質を知る微視的な昆虫のような視線と、広い視野から互いの関係に目を配る鳥の視線、さらに一つの 問題をさまざまな角度から理解する複眼的な視線が必要となります。
人間総合科学大学は、人間を「こころ」「からだ」「文化」の側面から 総合的に探求することを目的に通信制専門の私立大学として2000年に開学し、時代の求める生涯教育、教養教育を実践する教育機関とし て確かな地歩を築いてきました。さらに、現在、通学制の健康栄養学科・ 看護学科・リハビリテーション学科(理学療法学専攻・義肢装具学専 攻)とともに、大学院では「こころ」と「からだ」の互いの関係性から人々 の健康を考える心身健康科学という新しい学問を提唱しています。
本学の学びの目的は、知識の量ではなく、学んだ「知識」を人が生きる上で必要な「知恵」として育てること… 知識を生きる力の源泉にすることにあります。私たちは、学修で得られるその総体を「Knowledge for well-being」(よりよく生きるための知恵)と呼んでい ます。この「よりよく生きるための知恵」こそ、冒頭で述べた現実の社会 と向き合う力となるのです。つまり、本学の学修を通して、異分野をつなぎ合わせる統合力やものごとを正しく捉える分析力、生命の本質を理解 する思考力、諸相から真実を見つけ出す洞察力、諸問題から優先すべ きものを選択する決断力、時代を敏感にかぎわける感性、多様な社会で 生きることのできる協調性、そして、明日へ踏み出す勇気を身につけることができます。私たちは、こうした能力を身につけるからこそ、どんなに混迷な時代であっても、力強く豊かな人生を創造することができるものと考えています。
このように、本学の開学からのコンセプトは、“人間”を軸にした科学的 な探究と、総合的、多面的なアプローチを自らの気づきの中で実践し、大きな転換点にある現代社会を生きていくために必要な能力を獲得するこ とにあります。その為に学生の皆さんには、人間の本質を見極める視線を 養うための教育プログラムを用意し、「学びたいときが成長期」であり、「学ぶこと=生きること」であると考え、誰もがどんな場においても学んでいける環境を提供しています。
あなた自身の意志で、その行動の中で、よりよく生きるための鍵を、本学の「学び」の中から見つけてください。